スワジ語について
協力隊参加者は普通二度の語学訓練を受けます。
一度目が国内で行う70日間の派遣前訓練
二度目が任国で行う15日間の現地語学訓練です。
派遣前訓練では英語を、現地語学訓練ではスワジ語を勉強しました。先日無事に?現地語学訓練が終了したので、今日はスワジ語とその周辺のことについて書きます。
そもそも南アフリカは世界で一番公用語の多い国です。11の言語が公用語として認められています。英語、アフリカーンス語、そして各地域ごとで使用されるバントゥー諸言語(スワジ、ズールー、コサ、ベンダ、ンデベレ、ツワナなど)です。各部族の言語や伝統を大切にするという方針から全ての言語が公用語として認められているそう。小学校ではgrade R~grade3までは現地語、その後は英語で学習が進みます。子どもたち器用。先生が言うには地理的に離れている言語同士は似ていない部分も多いようで、そういう場合には英語で会話をするそうです。
スワジ語は現地ではsiSwatiと呼ばれています。本当に一部地域でしか使われていません。推定話者数は150万人で、隣国エスワティニでも使われているそう。詳しくはwikipediaをご参照ください。
では早速少しだけ見てもらいたいと思います。
Sanibonani Ninjani, ligama lami Ryo.
Ngibuya e Japani ngilivolontiya.
Ngihlala Kamhlushwa dvute naka Mubi inyanga lelitago.
Ngisebenta e Magcekeni, ngingu thishela wetibalo.
Ngikhuluma kancani siSwati, ngiyazama ngisafundza.
Ngiyajabula kubanani. Ngiyabonga.
訳はこんな感じ
↓
皆さんこんにちは、元気ですか?私の名前はりょうです。
日本からボランティアとしてきました。
KamhlushwaのMubiさんちの隣に一ヶ月前から住んでいます。
仕事はMagcekeni小学校で算数の先生をしています。
私は少しだけsiSwati語を話すことができますが、学んでいる最中です。
皆さんと会えてとてもうれしいです。ありがとう。
15日間の成果を頑張って出してみました。割とこれが限界です。これは2日目くらいのノート。当たりまえだけど英語でスワジ語をやってます。
スワジ語はもちろん日本語や英語とは全然違うのだけど、いくつか特徴を挙げると
①特殊な発音!
全く聞いたことがない発音が大きく2種類あります。
hl→前歯の裏に舌先を当てて押し付ける。左右の隙間から息を漏らしながら発音
c→hlの状態から舌先を強く離して音にする。舌打ちしながら発音する感じ
この二種類に母音をつけて発音します。あとはk→gになります。なんとそれ以外は基本ローマ字読み!とってもわかりやすいね(多少違っても外国人だからみんな気にしないし、大らかさも語学には大切)。
②Nから始まる言葉多い!
しりとりが強くなります。ngiyabonga→thank you, ngilambileya→hungryなど
実はそもそも英語のIがngiなので、会話の中ではよくンを聞くことになります。けどそんなに強く発音しないです。
③文法がざっくりしてる!
スワジ語にはややこしい文法はありません。女性名詞男性名詞もないし、現在形と現在進行形の違いもありません。わからないけど多分完了形もありません。
④前置詞が謎!
例えばnext to は dvute naka だけど、go toは kuhamba ngiye となる。to めちゃくちゃ変わるやんって感じ。しかもkuya だけで go to も意味もあるらしい。どういうこっちゃ。法則性が全く不明です。これはおおらか文法ゆえの弊害か。先生に聞いても「ん〜まあそういうものなんだよね」と言ってました。
とっても素敵な言語ですね、スワジ語。
任地に着いてすぐの頃は聞いたこともない言語が飛び交っていて結構怖かったんだけど、今では「ちょっと知っている言葉」になりました。今はもう怖くありません(何言っているかわからないことがほとんどだけど)。分かるとか知っているってこんなにも安心感があるものなのかと再認識。
正直まだ赤ちゃんレベルで会話も覚束ないんだけど、近所の人にスワジ後で挨拶するとみんな笑顔になるのがすごく嬉しいです。「お、話せるの!仲間じゃん!」って喜んでくれる人も。これから少しずつでも新しい言葉を覚えて、もっとみんなと仲良くなれれば良いなと思います。
おまけ写真は近所を散歩していて見つけた巨大サボテンです。
今日の内容とは全然関係ない。サボテンの蕾ってカラフルできれいだね。